「屋外サウナを自分で作れないか?」そんな発想を持つ人が増えています。
背景にあるのは、キャンプや薪ストーブ人気の高まり、DIY文化の広がり、そしてサウナブーム。
自宅に自分だけのととのい空間を自分の手で作る。その魅力は確かに大きいものです。
じかし屋外サウナは単なる小屋ではありません。
室内は高温に達し、ロウリュによって湿度も上がる「高温多湿の設備」です。
施工や設計が甘いと、思うように温まらないだけでなく、結露や腐食、さらには火災のリスクにもつながります。
本記事では
- 屋外サウナDIYのリアルな難易度
- 図面の基本的な考え方
- ストーブ選定時の重要ポイントと火災リスク
- プロにまかせる判断基準
を整理していきます。
憧れだけでなく、安全性を前提に実現できるよう、実践的に解説していきます。

屋外サウナを自作したい人が増えている理由

屋外サウナを購入するのではなく、自分で作るという選択肢を検討する人が増えています。
想定される選択肢は大きく分けて3つ
- 完全自作思考
木材・断熱材・ストーブまで選定し、ゼロから作りたい人。 - キット活用検討
キットを購入し、自分で組み立てたい人。 - コスト重視で安全性は妥協したくない
できる部分はDIY、難しい部分は外注という現実的な人。
いずれも共通しているのは「自分で挑戦してみたい」という前向きな姿勢です。
なぜ「屋外サウナDIY」を検討する人が多いのか
屋外サウナDIYを検討する大きな理由のひとつが完成品の価格です。
屋外サウナは本体価格だけでも高額に見えることが多く、「自分で作れば安くなるのでは?」と考えるのは自然な流れです。
さらに自由設計への憧れもあります。
屋外サウナであれば、自宅を傷つけずに、空いたスペースに自分好みの小屋を置くような感覚で出来るのではと考える人もいるのです。
既製品では難しい要望を自分仕様で実現したいという思いです。
近年は、 DIYブームやキャンプ人気の影響もあり「作る過程を楽しみたい」という層も増えています。
SNSでは個人のサウナDIY事例も多く紹介され、挑戦のハードルが下がって見えることも一因です。
ただし、ここで重要なのは実際の難易度です。
動画などでは数分で完成しているように見えても、実際には数カ月単位の工程や細かな調整が積み重なっています。
DIYの魅力(コスト・自由設計・体験価値)
屋外サウナDIYには魅力があります。
まず、材料費ベースで考えると、完成品より安くなります。
木材や断熱材を自分で選び、施工も自分で行えば、工事費も抑えられます。
次に、設計の自由度。
サイズ、窓の位置、ベンチの形状、外装デザインなど、自分好みに決められるのは大きなメリットです。
スペースに合わせたミリ単位の調整も可能です。
そしてなにより、作る過程そのものが体験価値になることです。
家族や仲間と一緒に建てる時間、少しずつ形になっていく過程、完成した瞬間の達成感。
これは既製品では得られない大きな魅力です。
しかし一方で、単純に材料費=コストではありません。
施工に掛かる膨大な時間と、専用工具の購入費用、施工ミスによるやり直しなどのリスクを含めると、必ずしも安い選択肢とは言い切れません。
屋外サウナDIYの種類を整理する

屋外サウナを完全にゼロから作るのか、キットを活用するのかによって、難易度もリスクも大きく変わります。
まずは屋外サウナDIYの選択肢を整理しておきましょう。
- 完全自作(材料から揃える)
- キット活用型(バレルサウナなど)
① 完全自作(材料から揃える)
完全自作は、木材・断熱材・防湿シート・ビス・金物・サウナストーブ・煙突まで、すべてを自分で選定し、調達し、施工する方法です。
この場合、まず必要になるのが図面設計。
外寸や内寸だけでなく、以下のような設計要素を自分で組み立てる必要があります。
- 壁の厚み(断熱層+構造+内装)
- 天井の断熱方法
- 給気・排気の位置
- ストーブから壁までの離隔距離
- 煙突貫通部の処理方法
- 基礎との固定方法
サウナは、ただの物置小屋ではなく「高温・高湿」という特殊な環境です。
断熱・気密・防湿の設計を誤ると、温度が上がらない、結露する、腐食が進むといった問題が発生します。
そのため、完全自作は最も難易度が高い選択肢です。
大工経験や建築知識がある人には可能性がありますが、未経験からの挑戦には慎重な準備が必要になります。
② キット活用型(バレルサウナなど)

もうひとつの選択肢は、バレルサウナなどのキットを活用する方法です。
キットの場合は、図面や組み立て手順が用意されていたり、基本構造が設計済みなので難易度が下がります。
プレカット済みの部材が届くので、DIY経験があれば組み立て自体は可能なケースも多く現実的な選択肢といえるでしょう。
ただし、キット活用型で見落としがちなポイントが
- 基礎工事(水平出し・固定)
- 電気ストーブ用の200V電源工事
- 薪ストーブ用の不燃処理・煙突施工
これらは別途必要です。
つまり「箱を組み立てること」と「安全に稼働させること」は別の問題なのです。
キット活用型は、DIYとプロ施工の中間的な選択肢といえます。
DIY事例から見る「現実」
屋外サウナDIYは、「完全DIY」か「完全外注」の二択ではありません。
自分でできる部分と、プロに任せる部分を切り分けることが、現実的で安全な進め方ともいえます。
ここではいくつかの事例をもとに、実現に向けたポイントを整理していきましょう。
屋形船をリメイクしサウナにした事例(福島)

冬季に氷上でのワカサギ釣り用に使用していた屋形船を改修しサウナ化した事例。
サウナのレイアウトやストーブの選定はプロと相談し、進めています。
DIYサウナ事例(宮城)

DIYで屋外サウナを制作し、ストーブ部分のみサポートを受けた事例です。
予算に応じたストーブの選定や離隔距離の提案、取り付け方法などのサポートを受けることで、安全にサウナを楽しむことができています。
キット型バレルをお客様組立事例(茨城)

民泊施設にバレルサウナを導入した事例です。
キット型のバレルサウナの組み立てをDIYで行い、消防との協議やストーブ選定のサポートを受け、営業しています。
DIY系施工事例(京都)

マットを全面につけたこだわりのテレビ付き自宅サウナの事例です。
サウナストーブの導入とLED照明はプロの施工とすることで、自分好みの安全なDIYサウナとなっています。
当社ではサウナ専門ECサイト「サウナの専門商社」も運営しています。
国内外150社以上のサウナ関連商品を取り扱い、ストーブ単体の販売も行っています。
電気サウナストーブは電気用品安全法に準拠し、菱形PSEマークを取得した製品のみをお取り扱い。
薪ストーブも国産のものからサウナの本場フィンランド・エストニア等の北欧製品まで豊富に取り揃えています。
ここまでにご紹介したように、DIYサウナへのストーブ導入実績も豊富なので、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
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バレルサウナはDIY可能?難易度と図面の考え方

屋外サウナDIYを検討する中で、比較的現実的な選択肢として挙がるのが「バレルサウナ」です。
ここでは、バレルサウナの図面の基本とDIYの難易度を整理します。
バレルサウナはキットなら自作可能
バレルサウナは、プレカット済みのキットであればDIYでの組み立ては可能です。
実際に自身で組み立てている事例もあります。
組み立ての難易度としては、木工DIY経験のある中級者向け。
丸みのある側板を順番に組み上げ、ステンレスバンドなどで締め込んでいく構造が一般的です。
必要な工具の一例
- 水平器
- ゴムハンマー
- スパナ/レンチ類
- 脚立
- インパクトドライバー
部材は重量があるため、1人での施工は現実的ではありません。2~3人での作業が前提となります。
バレルサウナDIYにおいて、重要な作業が防水処理と水平出し。
床が傾くとドアの開閉不良や歪みにつながります。
基礎が不安定だと、数年単位で構造に影響が出る可能性も。
キットは構造が設計済みという安心感はありますが、基礎と設置環境によって仕上がりが左右されます。
多くのバレルサウナ導入をサポートしてきた当社では、キット購入者自身での組み立ては推奨していません。
その理由は、組み立て後に問題が発生した場合、その問題がメーカー側の責任か、組み立てた側の責任かという責任の所在が不明確になってしまうためです。
しかしDIYでは、組み立ての施工費用(約20万円~)がかからないのは大きなメリット。
組み立てる人に技術がある場合は、自作は可能です。
組み立て時間の目安として、当社の事例では1台の大型バレルサウナの組み立てに、プロ3人がかりで7時間程度かかっています。素人の場合は数日かかると考えておいた方がいいでしょう。
バレルサウナ図面の基本構成

バレルサウナの図面を見る際、最低限チェックするべきポイントは以下の通り。
- 直径と長さ
- ストーブの位置
- ベンチの高さ
- 給気・排気の位置
直径が小さいと、熱はまわりやすい反面、圧迫感が出やすくなります。
逆に長さが長いとストーブの出力の選定が重要になります。
図面を見る際は、サイズ感だけでなく実際に使用した際の熱の流れを想像することが大切です。
BOX型サウナ図面の基本構成

BOX型サウナを完全自作する場合、難易度が一気に上がります。
BOX型サウナの図面で特に重要なのは、壁の断面構成です。
サウナでは断熱材を入れるだけでは不十分です。
湿気が内部に入ると、内部結露や腐食の原因となります。
そのため、防湿シートや遮熱シートの適切な配置が不可欠です。
壁から作る場合には、単なる箱作りではなく建築的な知識が求められます。
断熱・気密・防湿のバランスを理解していないと、完成後に温度が上がらない、結露する、カビが発生するなどの問題が起こりやすくなります。
つまり、バレルサウナは「組み立て中心のDIY」、BOX型サウナは「設計力が問われるDIY」
この違いを理解することが、失敗を避ける第一歩になります。
屋外サウナDIYで最も難しい「壁と断熱」

ここまで述べてきたように、屋外サウナDIYで多くの人がつまずくのが、「壁の構造」と「断熱設計」です。
見た目はシンプルな小屋であっても、実際は高温・高湿という特殊環境を成立させるための構造が重要になります。
屋外サウナのDIYが思っているより大変な理由

屋外サウナは、室温は80℃~100℃の高温、ロウリュで一気に湿度が上昇、外部は雨・風・寒暖差にさらされる。
つまり、高温と屋外環境という二重の負荷がかかります。
断熱が不足していると、ストーブの出力を上げても温度が思うように上がりません。
熱が外へ逃げ続けるため、燃費も悪くなります。
さらに怖いのが結露のリスク。
室内外の温度差が大きいほど、壁内部で水蒸気が冷やされ、水滴になります。
これが見えない場所で進行すると、木材の腐食や構造劣化につながります。
断熱・気密・防湿が甘いとどうなるか
重要なのは、断熱・気密・防湿が一体で設計されていることです。
このバランスが崩れてしまうと、次のような問題につながります。
- 熱が外に逃げる
- ロウリュをすると一時的に温度が下がる
- 壁内部に結露が発生する
- カビや腐食が進行する
こうしたトラブルは、完成直後には気づきにくく、数年後に表面化することもあります。
屋外サウナを長期的に快適に使うには、サウナを建築として考えるという視点が不可欠になります。
屋外に強い構造とは?

屋外に強いサウナ構造には、いくつかの共通点があります。
- 多層断熱
- 防湿シート・遮熱層の適切な配置
- 気密性の確保
- 歪みに強いフレーム
- 長期耐久を前提とした設計
屋外に強いサウナ構造は、単に断熱材を厚くするのではなく、湿気と夏の流れをコントロールする設計が求められます。
一例として、当社が製造する屋外用サウナ「MORI SAUNA」では軽量鉄骨フレームと三重断熱構造を採用しています。
木材のみで構成するのではなく、構造体としての安定性を多層断熱による熱保持を両立させる思想で屋外設置を前提に設計しています。
ここで重要なのは、「屋外サウナは構造から考えるべき設備である」という理解です。
DIYであっても、プロ施工であっても、この視点を持てるかどうかが、完成後の満足度を大きく左右します。
ストーブ選定はDIY最大のリスク領域

屋外サウナDIYにおいて、最も慎重に検討するべきなのがストーブです。
ストーブまわりの設計ミスは、火災や重大な事故につながる可能性があります。
サウナはストーブありきの設備です。
ストーブの選定・設置方法を誤ると安全性そのものが成立しません。
電気サウナストーブの注意点

家庭用の屋外サウナでは、単相200V仕様の電気ストーブが主流です。
ここで需要なことは、電気工事は有資格者のみが行えるという点です。
つまり、分電盤からの配電や、200V回線の増設、ブレーカーの設置、これらはDIYでは対応できない領域となります。
また、ストーブ選定の際に必ず確認すべきなのが菱形PSEマークの有無です。
安全基準を満たしたPSEマークがついた製品であることが大前提となります。
次に室内環境に対するkW(出力)の選定。
出力不足では温度が十分に上がらず、出力過多では異常高温や過負荷のリスクがあります。
ストーブは強ければいいというものではありません。
断熱性能や室内サイズとのバランスを見ながら、適切な出力のストーブを選ぶ必要があります。
薪ストーブは火災リスクが最も高い

薪ストーブは雰囲気や体験価値が高い一方で、DIYにおいては最も火災リスクが高い領域です。
薪ストーブを設置するにあたり、特に重要なのが以下のポイント
- 不燃区画処理の徹底
- 壁との離隔距離の確保
- 煙突貫通部の断熱・遮熱処理
- 屋根貫通部の防水施工
薪ストーブを熱源とする場合は天井部分から煙突を出すための穴を開ける必要があります。
「穴を開けて煙突を通せば完成」というわけでもなく、煙突周りに二重煙突やめがね石を設置する必要もあります。
【二重煙突とは】
煙突内の高温の煙が周囲の構造物に直接触れないようにすることで、火災のリスクを大幅に減少させる。
【めがね石とは】
石は煙突が通る部分に取り付ける防火材で、こちらも火災防止に役立つ。

煙突が壁や屋根を貫通する部分は、施工不備が起きやすい箇所です。
この部分の加工がしっかり行われていないと、煙突の熱が木材に伝わり炭化(火が付きやすい危険な状態)したり、最悪の場合火災につながる危険もあります。
薪ストーブは安全に使い続けられることが重要であることを理解しましょう。
よくある失敗例
実際の相談で多いのが次のようなケース。
- ストーブを強く焚き続けたことで劣化が早まった(断熱不足)
- 壁が焦げてしまった(不燃処理が不十分)
- 雨漏りや内部発熱が起きた(煙突施工ミス)
- 薪で始めたが電気に変更したい(煤や扱いにくさ)
この中でも、特に薪から電気への変更はよく見られるケースです。
雰囲気のいい薪ストーブですが、日常的に使う場合、火起こし・薪の保管・煙対策が負担になることもあります。
最初に理想だけで選んでしまうと、後から設備変更が必要となることがあります。
安全に配慮した設計例

安全性を高めるための設計にはいくつかのポイントがあります。
使用するガラスひとつとっても、単板ガラスでは表面温度が上がり危険なのに対し、複層の断熱仕様ガラスを使用することで、安全性を高めることができます。
また、適切な給気・排気による換気バランス設計や、ストーブ周囲の不燃材施工は専門的な知識が必要となります。
一例として、MORI SAUNAでは耐熱強化ペアガラスを採用し、換気バランスを設計段階から組み込み、屋外耐候仕様で構造を構成しています。これは製品の特徴というより、「高温設備を建築として扱う」という設計思想の表れです。
DIYを選ぶにしても、完成品を選ぶにしても、安全性だけは妥協してはいけません。
屋外サウナは趣味であると同時に、火を扱う設備であることを忘れないことが重要です。
MORI SAUNAの構造へのこだわりについては、構造へのこだわり サウナを、建築にする。をご覧ください。
DIYとプロ依頼の判断基準

ここまで見てきた通り、屋外サウナのDIYには魅力と難しさの両方があります。
大切なのは、「自分にとってどこまでが現実的か」を冷静に見極めることです。
DIYか、プロ依頼かを、条件ごとに判断するのが現実的です。
DIYが向いている人
次のような条件がそろっている人は、DIYに挑戦する価値があります。
- 木工経験が豊富
ウッドデッキや小屋づくりの経験があり、構造や水平出しの重要性を理解している。 - 電気工事は外注できる前提がある
200V工事や分電盤増設は有資格者に依頼する前提で動ける。 - 時間をかけられる
完成まで数か月単位でも問題なく、調整ややり直しも楽しめる。
DIYは、早くて安いではなく、時間をかけて形にする選択肢です。
上手くいかない箇所も含めて、作る過程を楽しめる人に向いています。
プロに相談すべきケース
一方、次のようなケースでは専門家への相談を強くおすすめします。
- 薪ストーブを導入したい場合
不燃区画処理や煙突施工は、火災リスクに直結します。 - 断熱構造に不安がある場合
断熱・気密・防湿のバランス設計は見えない部分ほど重要です。 - 長期耐久を重視する場合
10年、15年と使う前提なら、構造設計の精度が問われます。 - 商業利用を検討している場合
安全基準や防火区画対応など、個人DIYの範囲を超える要素が出てきます。
安全と耐久性を最優先するなら、設計段階からプロに相談する価値があります。
迷ったらプロに無料相談|MORI SAUNAが最適プランを提案

屋外用サウナは本体選びだけでなく、断熱・気密・結露対策、設置場所や目隠し、外気浴・水風呂の動線まで含めて満足度が決まります。
MORI SAUNAはサウナを“建築”として設計し、軽量鉄骨フレーム×三重断熱で屋外でも安定した熱環境を実現。
mm単位のサイズカスタムや前室付き仕様にも対応でき、柔軟に理想を形にできます。
迷ったらまずはお気軽に無料相談へ。
年間100件以上のサウナ導入サポート実績をもとに、設置条件に合わせた最適なサイズ・仕様・配置までまとめてご提案します。
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まとめ

屋外サウナのDIYは、決して不可能ではありません。
バレル型のキット製品であれば、正しい手順と十分な人手があれば組み立ては可能ですし、木工経験が豊富な方であれば構造体から作ることも理論上は実現できます。
しかし、「作れる」ことと「安全に長く使える」ことは別問題です。
断熱・気密設計やストーブまわりの安全設計は、軽視しないことが絶対条件となります。
「なんとなく大丈夫そう」という判断は避けるべきでしょう。
屋外サウナDIYには大きな魅力があります。
ただし、最優先は「安全に、安心して使えること」です。
部分的に専門家に外注するハイブリッド型の進め方も現実的です。
不安な部分は、プロに相談することが成功への近道となります。